「stay」感想

stay、みた。空き家に住み着いた五人の男女と、立ち退きを求めてやってきた役所の男の物語。来るものは拒まず、去るものは追わず。名前のない関係性は心地よいが、どこかサスペンスフルでもある。なによりこの映画は「空間」が主人公だと感じる。もう一捻りあると良かったけど。興味深い短編でした。

「あの日々の話」の山科圭太と、「イソップの思うツボ」の石川瑠華の雰囲気がよかった。矢島とマキはふたりとも本心では何を考えているかわからない感じがしますね。そして、ふらっと現れた矢島にひとり積極的に関わろうとしたマキは、この古民家に期待するものが他の人とは違うのかなと思う。

しかし、人と人の間に流れる空気の面白さを描く作品は、ついこの間「街の上で」を見てしまったので、物足りなさを感じてしまったのも事実。古民家での暮らしに、彼らが積み重ねてきたであろう習慣や、筋の通った論理があるとより見応えが増しただろう。あれだと普通に合宿してる人たちにしか見えない。

あと、展開がもう一つあるとギュッとしまったのかなと思う。設定の詰めが甘く、明らかに矛盾している箇所もあったし。映画館の音響のせいもあるかもしれないが、録音（整音？）があまり良くなくて、セリフがかなり聞き取りにくかった。でも、物語のサイズは短編にハマっていたし、好きなえいがです。