映画狂凡人(映画感想ツイート倉庫)

さいきん見た映画の感想を書いています。ネタバレありなので未見の方は注意してください。

「tick, tick...BOOM! チック、チック…ブーン!」感想

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tick, tick...BOOM! チック、チック…ブーン!、観た。三十歳を目前に芽の出ない劇作家の葛藤を描く。J・ラーソンの自伝的ミュージカルをリン=マニュエル・ミランダが映画化。自分の人生のちょっと先に起こりそうなことを体験している感覚に。ただ、この人は才能があったからな…と思ってしまった。

今泉力哉監督の「あの頃。」も同じだが、自分には「刺さらなかった」のだ。言い方に気をつけなければいけないのは、これらの映画が実話を元にしていること。実際にその人生を生きた人がいる事実を前にして「刺さらなかった」の表現は正しいのか。しかし、少なくとも自分の物語だとは思えなかった。

ジョナサンの葛藤はいずれ自分も通る道なのだろう。というかすでに感じ始めている。まわりの友だちは順調にキャリアを進めたり、結婚したり、子どもを授かったりする中で、自分の人生はどうだろう?と比較して焦らない気持ちがないわけではない。特にこのコロナ禍の二年で身動き取れなかったのが痛い。

リン=マニュエル・ミランダの作品は、映画と劇団四季以外でミュージカルに触れない自分には新鮮だ。うまく言語化できないけど「ハミルトン」もよかった。単に気持ちが昂るから歌を歌うわけでもなければ、物語の山場に音楽が流れるわけでもない。もっと多層的な物語の作り方をしているのだと思う。