「牛首村」感想

牛首村、観た。Kōki,のスター性をまざまざと見せつけられた。「村」シリーズではいちばん面白いと思った。怪談をめぐる真実のおぞましさも好みだし、変にお話が飛躍してクリーチャーが出てこないのも良い。意外とホラー描写そのものより、海を見つめる奏音や大雨の駅のホームの場面が印象に残る。

蜃気楼を見つめる奏音が振り返り、なにかが通ったかのように吹いた風が彼女の髪を揺らす。もう、このシーンだけで満足できる。それぐらい良いカット。キマってる。大雨のホームで「このまま進むか、退くか」を三人で会話する。突然鳴り響く雷がすばらしい。直接のホラー描写がなくてもビビッと来る。

萩原利久が演じる蓮の絶妙なウザさよ。髙橋文哉もよかったんじゃないか。Kōki,は「演じ分け」もうまい。大谷凛香が冷やかしで心霊スポットに行って酷い目に遭うのも定番化。もはや楽しい。個人的には「忌み子」をめぐる終盤の描写が好きだった。どうやって撮ってるの？と思ったらエンドロールで納得。

パンチが悪い、という評価もわかる。二時間も要らない話だ。途中まで見ていればなんとなくお話の筋は読めるわけだから、100分ぐらいでもちょうど良かったのではないか。多くの人が指摘するように「落下」にこだわりを感じる。しかも全部パターンが違うんだな。個人的にはビルの飛び降りが怖かった。