「朝が来ますように」感想
朝が来ますように、観た。東京フィルメックスにて。結婚式に出席するため故郷のパレスチナに戻ってきたサミ。しかし、村がイスラエル兵に封鎖されてしまい…。これと言って刺さるモノがなかったかなあ。イスラエルに働きに出るパレスチナ人ってどういう地位なんでしょう。ラストの虚しさは心に残った。
冒頭の結婚式、サミは地元の親戚から凱旋してきた英雄のような扱いを受ける。そして、オヤジたちは「うちの息子の方が優秀だ」とマウントを取り合うのだ。ここらへんは全世界共通の田舎あるあるなのかしらと思いつつ、パレスチナ/イスラエルの関係性が気になった。
サミやその家族が「帰れない」ことで慌てふためき、オヤジから「もうここに住みなよ」と諭されるあたりは、このパレスチナ/イスラエルの関係性が感覚的にわかっていないと読み取りにくいのでは、と思う。正直、自分は作り手が想定しているレベルまでサミのことを理解できていないだろうと思う。
村が封鎖されて帰れない、さてどうしよう?となった時にサミは家族の問題に直面するわけだが、このドラマは凡庸で、あまり見どころがないと思った。議会への反発を弟と共有し、手榴弾を…のくだりはユーモラスで笑えたけど。期待より政治的要素が少なかったのは、単に読み取れなかっただけなのか…。