「婚前特急」感想

婚前特急、観た。面白かった！「まと君」の前田弘二監督デビュー作。チエは吉高由里子にしか作れないキャラだろう。恋人にキスをせがまれて電車に乗り遅れる女の奮闘記。最初からオチは明らかだが、浜野謙太が「本当にコイツ選ぶのか？」と思わせる演技。百人一首で盛り上がる場面と壁突き破りが好き。

石橋杏奈がよかった。説得力がある。加瀬亮は相変わらず色気がある。ちょっとくたびれた感じも好きだ。五人も恋人がいて、誰のいちばんにもなれないチエ。友人の結婚を機に、その気はないと言いつつ焦る。しかし、恋と結婚は違うのだろうと思わせる。チエは誰に対しても恋はしていないからだ。

チエは大真面目なのだが、田無と二人してすっとぼけているので、会話は当然噛み合わない。イラつくと最後は物理的な攻撃になる。この漫才みたいなやりとりは同じく前田弘二×高田亮タッグの「まともじゃないのは君も一緒」につながる。もっとこの組み合わせで作品を見たいな。ぜひ「まと君」続編も。