「雄獅少年 少年とそらに舞う獅子」感想

雄獅少年 少年とそらに舞う獅子、観た。ことしベスト。底辺でもがく田舎の少年が「強くなりたい」と獅子舞の師匠のもとを訪れる…。とにかく獅子舞がカッコいい！実写かと思うほどテクスチャやライティングが素晴らしく、最先端のゲーム映像のようだ。広州や上海に出稼ぎする貧困層の現実も描く傑作。

中国の3DCGアニメってここまで進んでるのかと驚いた。かなり丁寧に作り込んでいる。水墨画風のオープニングもダイナミックで感動したが、そのあとの導入部分の獅子舞バトルとチェイスシーンでぐっと観客の心を掴んでしまう。一方、人物の動きや表情のチャーミングさ、演技はあと一歩である。

「いかに獅子舞をカッコよく見せるか？」に腐心している。序盤で手持ちのカードは全部出したかといえばそんなことはなく、クライマックスまでその過多気味の情報量で押してくる。主人公がひとり屋上で心の声に従って舞う場面は美しい。昔ながらの田舎町と都会の高層ビル群の対比も見応えがある。