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さいきん見た映画の感想を書いています。ネタバレありなので未見の方は注意してください。

「オーシャンズ8」感想:軽妙だけど…ちょっと軽すぎ?

こんにちは。じゅぺです。

この間、試写会で「オーシャンズ8」を見てきました。すでに先週から公開が始まり、洋画ファンの話題を呼んでいます。というわけで今回は「オーシャンズ8」のネタバレあり感想を書きたいと思います。

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オーシャンズ」といえば、言わずもがな、スティーブン・ソダーバーグ監督の大人気犯罪映画でしょうそれぞれに業界一の腕を持った一流の犯罪者たちが、チームプレーで困難な窃盗ミッションに挑むシリーズです。二転三転する騙し、騙されの展開もさることながら、主役級の俳優たちが集結する「オールスター」感も最高でした。ジョージ・クルーニーブラッド・ピットマット・デイモンドン・チードルジュリア・ロバーツなど、彼らのギャラだけで何本映画撮れるんだと思いたくなるぐらい豪華な顔ぶれです。こんなにスターが集まる映画シリーズなんて、それこそ「オーシャンズ」と「アベンジャーズ」ぐらいじゃないでしょうか。

オーシャンズ8」は「オーシャンズ」の兄妹的スピンオフ位置付けとなっています。こちらもサンドラ・ブロックケイト・ブランシェットアン・ハサウェイヘレナ・ボナム・カーター、リアーナなど、ゴージャスなキャスト陣。サムネイルにも選んだ子のビジュアルがファーストルックで公開されたときは、なかなかにテンションが上がりましたよ。

で、感想ですが、ほぼ期待どおりだったと思います。華麗な衣装を見にまとった美女たちが、汗水ひとつかかず、さらりと軽妙に大犯罪をこなしていく。オールスターキャストたちの会話も小粋なジョーク(あまり下品な笑いもなかった)で楽しかったし、まあほんとに美形ぞろいなのでスクリーンを見ているだけでうっとり幸せな気分になれます。特にケイト・ブランシェットアン・ハサウェイは良かったですね。ケイトはマニッシュでクールな風格を漂わせつつも、「大人の女性」の色気も出していて、とっっってもカッコよかった。酔っ払い相手に薄めたウォッカを売りさばくという、だいぶセコい犯罪を生業としているのも、ギャップが可愛くてグッドです。そして、アン・ハサウェイはもうキュートなオーラがすごい。自分を見せることにすべてを捧げるナルシスト。ちょっと嫌味ったらしく映るところもありますが(アン本人のパブリックイメージと重ならなくもないですね)、しかし、裏返せばがんばり屋さんということでもあります。ドレスを着るために3日間絶食して、晩餐会のスープにがっついてしまうダフネがほんとに笑えます(そのあと踏んだり蹴ったりな目に遭うのも含めて)。ふだんから涙ぐましい努力を積んでいて、根っこはピュアなんだなぁ〜と思うと、憎めませんね。この二人は大好きなキャラです。

まあただ、特筆すべきはこの「キャラ萌え」要素ぐらいかなあと思いました。たしかに軽妙な犯罪劇といえばそうなんですが、軽妙すぎて逆に重みがない。ケイパーものに求められるり爽快感」「裏切られた感」は足りなかったと思います。スルスルと進行してテンポがいい分、見ていて感情がうねるような「タメ」だったり、予想を超えるような裏切りは少ないんですよね。まあもともと「オーシャンズ」シリーズはキャストやシチュエーションの華々しさに反して淡々と物語が進むのがひとつの特徴かもしれませんが(だから3作とも中身が薄い)、残念ながら「オーシャンズ8」もその悪い部分は受け継いでしまったかもしれません。

ちなみに、良くも悪くも一番裏切られたのはジョージ・クルーニーが出てこなかったところですね。冒頭から死んだことになってますが、ところどころで遺影や墓が登場するなど、思わせぶりな演出をしておいて、何も起こらない。てっきり最後にサプライズで登場するのかと思ってました。ラストのお墓入りのシーンなんてカメラワークもそれっぽい雰囲気あったじゃないですか。これは続編に期待しろということなんでしょうかねえ。できれば本流のキャストと合流した「オーシャンズ」大集合映画が見たいところですが、その前にワーナーがギャラの支払いで潰れてしまいそうです。というのは冗談として、次あるとしたら追加キャストは誰か?なんて妄想するのも楽しそうですね。ちなみに僕はルピタ・ニョンゴを予想しておきます。