「イゴールの約束」感想
イゴールの約束、観た。「その手に触れるまで」のダルデンヌ兄弟。原点はここにあったのだと気づく。不法移民のアパートを仕切る強権的な父とその息子イゴール。最悪な環境で「善い選択」をするってすごく勇気が要る。ラストの沈黙は赦しなのか、それとも怒りと失望か。シンプルだが見応えあり。
90年代ベルギーの移民事情なんて全く知らなかった。不法移民の売り買いなんてあったんだ。最近の話だと思ったら、結構前からこういう社内構造になっていたんだなと。15歳の少年があのアフリカから来た女性に抱く感情は、綺麗なものばかりでもない気がするが、徐々に抑圧から解放される様が美しい。
父から抜け出すくだり、ガレージで足を鎖に巻きつけて…なんてアクションは、ちゃんとエンタメしている。「その手に触れるまで」のクライマックス、窓から建物に忍び込もうとする場面を思い出したり。