アネット、観た。「これから楽しい出し物をやります」な雰囲気のオープニングから、表現者のカルマの物語へと引きずり込まれていく。舞台上のヘンリーと観客の応答、ミュージカルの渦から浮かび上がるグロテスクな「淵」。生身の人間がコンテンツになるということ。映画には終わりがあるけど…。
アネットがパペットである、ということ。ヘンリーが「妻殺し」のネタで、観客に囲まれながら(ランジャタイの漫才みたいだったけど)ああやって激しく感情を発露する様子は、なんだかとてもグロテスクに見えてしまった。それはカメラの前ではなく、生身の人間の目の前だからなおさらそう思うのか。