「モラン神父」感想(ツイッターより再掲)
モラン神父、みた。ナチ占領下、戦争未亡人のバルニーは寡黙な青年神父に好意を抱く。神父の静かで色気あふれる佇まい!薪を割る姿は荒っぽくてセクシー。バルニーが揺れ動く心を自覚してからはサスペンスフル。神父の部屋や告解室での二人きりの対話は緊張感たっぷり。繊細でテンポの良い演出に唸る。
「ミザリー」感想(ツイッターより再掲)
ミザリー、みた。熱狂的ファンに監禁された小説家の悪夢を描く。面白かった。このおばさん、もはやなにしても怖い。嬉しそうにしてても、次の瞬間にはブチ切れそうな不安定さ。「ミザリーは生きてる!」と小躍りする様など、夢に出てきそうだ。主人公もそこそこ単純なミスを連発するのがおかしい。
脚をガコーンと金槌でへし折られるシーンはなかなか痛い。思わずテレビの前で声をあげた。ひたすら密室でおっさんがおばさんにいじめられるだけの話といえばそれまでだが、かなりの緊張感とテンションの高さ。小説家ならでは?の機転をきかせて物事を進めていくパズル感が少し気持ちいい。
保安官のおじいさんはキレ者であるがゆえに悲惨な末路を迎えてかわいそうだった。ほとんどフォローなしなのも悲しい。あれだけ恐怖でしかなかったおばさんも、置物で殴れば一発という。いかにハンデの多い環境で戦っていたかがわかる。ちょっぴり虚しい最期でもあった。本当にこの人連続殺人犯?
「バースデー・ワンダーランド」感想(ツイッターより再掲)
バースデー・ワンダーランド、みた。小学生のアカネが地下室から異世界の冒険へと飛び出す。児童文学のアニメ化。よく言えば王道ファンタジー、悪く言えば寄せ集め。キャラデザも世界観もストーリーも見たことある内容。着地点はよかったけれど。原恵一監督の名前でハードルを上げすぎたか。
杏演じるチィちゃんはとてもよかったね。アカネは松岡茉優が声を当てているせいか、小学生よりも大人っぽく見えた。しかし彼女が見ている世界はまだまだ小さい。ヒポクラテスのギャグのくだりが少々しつこかったり、ロンのキャラ付け(語尾とか)がベタ過ぎたり。それでいいのか?感がちらほら。
バースデー・ワンダーランド、誰に向けて作っているんだろう?というのがわからなかった。キャラデザにイリヤ・クブシノブを起用し、原恵一監督の名前で大々的に売り出しているわりには、あまり大人をターゲットにした内容には見えない。子どもは楽しめるかもしれないけど、そういうは売り方してない。
「若おかみは小学生!」の方がそこらへんは考えられていた。「マイマイ新子と千年の魔法」もそうなんだけど、児童文学原作の映画なのにあまりメインターゲットのファミリー層には受けず、一部の映画ファンに支持されて…という流れだと、せっかくの良作も埋もれてしまう。売り方考えてほしい。
「僕はイエス様が嫌い」感想(ツイッターより再掲)
僕はイエス様が嫌い、大傑作。地方のミッションスクールへ転校したユラは、ある日「小さな神様」と出会い…。ひとはなぜ祈り、なにかを信仰するのか。彼の見る世界はまだまっさらな雪原だ。なんでも叶えてくれる神様なんていないし、世界はそれほど優しくない。でも、必ずそこに「光」はあるのだ。
ユラの見る世界のように、この映画自体余白に満ちている。信仰というセンシティブな題材を扱いながら、作者の思想や信条が前面に出てくることはない。ただ、小学生らしい、無邪気でユーモラス、そして荒唐無稽ゆえの、悪夢を見ているような不気味さもちょっぴりある。
一つひとつのカットや音にもこだわりを感じる。被写体との距離を極端に詰めず、じっくりとフィックスで捉える。かなり密度が濃かった。しかし、とある重要な場面のみ特徴的な撮り方をしている。映像に浸るだけでもすばらしい映画。
「名探偵コナン から紅の恋歌」感想(ツイッターより再掲)
名探偵コナン から紅の恋歌、みた。かるた大会をめぐって起こる連続爆破事件をコナンたちが追う。爆発でしか物語が動かないので、前半は少し退屈。テレビ局は吹っ飛ばされる必要あった?本作の主人公は平次と和葉。幼なじみでこの歳までくるとなかなか本音も言えないよね〜と。キュンとくる関係です。
おたがい好き勝手言い合って、しょっちゅう喧嘩もする仲だけど、本当に大事なことには素直になれない。「恋人たちの予感」のハリーとサリーみたいな関係がツボです。今回ばかりはコナンも事件解決パートを淡々と進める人になっていた。紅葉はキャラが謎だった。イマイチお話の都合感が漂うのだ。
あと真犯人の動機はあいかわらず雑。そんな勘違いでそこまでやるか?と。ここはもう真面目に考えても仕方ないんだけど。やはり登場人物が多い分、なぜその人の言動の背景を捉えるのが難しい。関係者が多いわりにわかりやすいのはさすがの交通整理なのかもしれない。冒頭のアンテナぐるぐるがピーク。
「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」感想(ツイッターより再掲)
ゴジラ キング・オブ・モンスターズ、みた。地球を守るはずだったモナークのプロジェクトが眠っていた怪獣たちを呼び覚ましてしまう…。神々しい!まさに王たちの戦いというべき怪獣バトル。人間はただそれを地面から見上げ、祈るしかないのだ。とはいえ怪獣たちは恐ろしいだけでなく、少し愛らしい。
あのテーマ曲が最高。伊福部昭の名曲。いつ聴いても震える。そしてオリジナルから変わらないゴジラの咆哮。響きの中にゴジラの怒りや悲しさすら感じる。その時々によって表情を変えるのだからすごい。多くの人が言うようにドラマパートは怪獣バトルのためにいろいろなものを犠牲にしている…。
モナークのみんながどんな危険地帯へ行こうと全員行動なのは面白かった。おまえら全滅したら誰がこの異常事態に対処するんだ。ひとつの家族が軸になって話が進むが、どことなく平成ガメラシリーズっぽさがある。セガールの娘でも出てきそう。ドラマの拙さは自分でも意外だが気にならなかった。