「僕はイエス様が嫌い」感想(ツイッターより再掲)
僕はイエス様が嫌い、大傑作。地方のミッションスクールへ転校したユラは、ある日「小さな神様」と出会い…。ひとはなぜ祈り、なにかを信仰するのか。彼の見る世界はまだまっさらな雪原だ。なんでも叶えてくれる神様なんていないし、世界はそれほど優しくない。でも、必ずそこに「光」はあるのだ。
ユラの見る世界のように、この映画自体余白に満ちている。信仰というセンシティブな題材を扱いながら、作者の思想や信条が前面に出てくることはない。ただ、小学生らしい、無邪気でユーモラス、そして荒唐無稽ゆえの、悪夢を見ているような不気味さもちょっぴりある。
一つひとつのカットや音にもこだわりを感じる。被写体との距離を極端に詰めず、じっくりとフィックスで捉える。かなり密度が濃かった。しかし、とある重要な場面のみ特徴的な撮り方をしている。映像に浸るだけでもすばらしい映画。