「SHIROBAKO」全話感想
SHIROBAKO、全話みた。超絶大傑作!!!!アニメ業界に入って夢を追う5人を描く群像劇。現場は常に地獄だ!見ている自分まで焦ってしまう、遅延に次ぐ遅延。夢だけではご飯は食べられない。それでも「アニメが好き」という気持ちで走り続けるあおいたちの青春に、たくさん勇気をもらう。劇場版楽しみ。
唐突なカーチェイスから始まる。謎の疾走感。しかしそれはドーナツのように綺麗な円環構造を見せ、最後に輪っかは閉じる。ドーナツの真ん中にぽっかり空いた穴。スキルや専門性もなく、ひたすら調整に走る制作進行の仕事、そして、具体的な目標もないまま全力疾走するあおいの姿そのものかもしれない。
でも、だからと言ってドーナツに穴はいらないのかというと、そうではない。ドーナツは穴があるからドーナツなんですね。群像劇とあって、他のキャラも深い。社長や小笠原さんの過去エピソードもいいし、ひたすら能天気のタローと心が折れてしまった平岡がビールを飲み交わす場面の愛おしさよ。
5人の中でも宮森あおいの成長はやはり見応えがある。あんなにテンパっていた新人制作進行が、曲がりなりにもデスクの仕事をこなし、後輩の指導もしている(中間層少なすぎる気もするが…)。頼もしい。そして声優志望のしずか。「いま私、少しだけ夢に近づきました」のオーバーラップ!
お仕事辛い系の話でありながら「しんどくて泣く」という描写が全然ないのがいい。あおいはいくらテンパっても髪の毛乾かすの忘れてぼーっとするぐらいで。部活青春モノではなく、あくまでお仕事モノなのですね。
あと当然ながら恋愛の匂いが一切ない。そこに尺を割く余裕などもともとない内容ではあるが。武蔵野という西東京の狭い空間を行き来する箱庭感もいい。