映画狂凡人(映画感想ツイート倉庫)

さいきん見た映画の感想を書いています。ネタバレありなので未見の方は注意してください。

「アポロ13」感想(ツイッターより再掲)

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アポロ13、みた。大傑作。"栄光ある失敗"の舞台裏を描く。3人の生還を信じて全力を尽くすプロの姿に震える!極限状態でも冷静に対処するジム、常に全体を俯瞰する主席管制官、ハンドメイドでフィルターを作るスタッフたち。そして何より月への夢を断たれ、地上で3人を支えるケン!最高にカッコいい。

事故の概要はだいたい知っているのに、もしかしたら生きて帰ってこれないんじゃないかとハラハラしてしまう。「13」にまつわる意地悪なジョークや結婚指輪を失くしてしまう「前フリ」は笑える。出発直前から音楽は不穏に。そして「酸素が漏れている」の一言で管制室の時間が止まるシーン。沈黙が重い。

しかしそのあと一気に動き出すNASAスタッフたち。一刻を争う戦い。無駄な時間は1秒もない。混乱の現場を抑える主席管制官の冷静さに惚れる。電源、エンジン、医療…たくさんのプロの知見を集約して史上最高難度のミッションに挑む。誰一人として欠けてはいけない。特にケンが地球にいなかったら…。

船内メンバーもいい。トム・ハンクスビル・パクストンケビン・ベーコン。超豪華。極限状態にあっても「家に帰る」ことだけを考え、地上のスタッフを信じ続ける。次から次へと起こるトラブルに、おそらく観客の方が動揺していただろう。それぐらい3人は挫けない、諦めない。

泣きそうになったのはジムが月に降り立つ自分を想像する場面。宇宙飛行士としての夢、最高の名誉が目の前で儚く散っていく。それは地上に残らざるを得なかったケンも同じだろう。しかし彼らは月面着陸の夢を断たれても、船内が二酸化炭素で汚染されても、遮熱板にヒビが入っても前に進む。勇気が湧く。