「PROSPECT プロスペクト」感想
PROSPECT プロスペクト、みた。傑作!一攫千金を狙って降り立った採掘惑星で父を殺され、ならず者と共に故郷への帰還を目指す少女の物語。70年代SF風ガジェットとゴールドラッシュ末期の退廃的な雰囲気にハマる。誰も信じられない孤独なサバイバルの中で逞しく成長する少女の、確かな顔つきの変化よ!
低予算SFながら独特の手ざわりを持つという点では、ダンカン・ジョーンズ「月に囚われた男」に近い雰囲気。また埃をかぶったレトロなガジェットやDIY的なサバイバル劇としてリドリー・スコット「オデッセイ」を彷彿。といったら褒めすぎかもしれないが、これはたしかにシネマカリテで見たい作品。
決して気が強いわけではないが、逞しさを見せる少女・シー。演じるソフィ・タッチャーがかわいい(大事)。大きな山場があるわけでもなく、単調といえば単調な展開なのだが、彼女がどういう運命辿るのか、先が気になって仕方なかった。それもソフィ・タッチャーの持つ魅力のおかげなのだろう。
鉱石の元が生物だったり、空気中に胞子が飛んでいて清浄機が必要だったり、という設定も面白い。個人的にツボなのは銃の弾を手巻きで充電するところ。お話自体はかなりざっくりしているが、しっかりSFとしてフェティッシュな魅力を持っていて、不思議と飽きのこない映画だった。満足。