「恋人たちは濡れた」感想

恋人たちは濡れた、みた。寂れた港町にやってきた青年が再会した友人と共に退廃した生活を送る。日活ロマンポルノ一作目「団地妻 昼下がりの情事」を見た時にも思った、アメリカン・ニュー・シネマのようなテンポと閉塞感。これが70年代の雰囲気なのかなあ。正直そんなに響かないし好きではないけど。

75分のわりにだいぶ長く感じた。神代辰巳作品、全体的にぬるっとしてる気がする。アメリカン・ニュー・シネマの作品も高校生の頃に有名どころを見て「これは合わないな」と思った記憶がある。房総の海辺にどことなく死の匂いが漂っている。ひたすら青姦なのは野生的だが自棄っぱちの行動に見える。

最後、突然の終わりを見せる。背中をブスリと刺されてそのまま自転車ごと海へ。青年は無意識かもしれないが、海へ行こう海へ行こうとしていたが、最後に結局沈む運命にあった。なのでいきなりの死にも驚きはない。こうなるしかないように思えた。