「さよならくちびる」感想(ツイッターより再掲)
さよならくちびる、みた。超絶大傑作。くっついたり、離れたり、居場所を求めてさまよう3人。交わらない目線、言葉をふさぐタバコ…あの車は3人のあり方を無条件に肯定するようにも、三すくみの関係から逃げ道を奪っているようにも見える。彼女たちの「歌」はこれからも旅を続けていく。今年ベスト!
ライブハウスでハルとレオの歌声が混じり合う瞬間の高揚感よ!ひとたび車が止まればバラバラの道を歩く二人だが、ステージの上に立てば、そこには「ハルレオ」がいる。それでいて一方で、車が高速道路を駆けるとき、そこには無音の空間が広がる。ただハルの心からことばがこぼれ落ちていく。
とにかく3人ともタバコを吸う場面が多いわけだが、彼らにはどうしても会話の間にタバコが必要なのだと思う。気まずさや照れをごまかし、ぎすぎすした場をつなぐのが、タバコをくわえるという動作なのであり、ある意味では拠りどころになっている。いっしょにごはんを食べるのも同じ。
そしてやはり彼女たちの「歌」は旅を続けていくのだということ。音楽は生と死を繰り返していく。時にそれは誰かの人生の呪いになることもある。が、しかし、彼女たちにとっては「歌」こそが居場所なのだ。