映画狂凡人(映画感想ツイート倉庫)

さいきん見た映画の感想を書いています。ネタバレありなので未見の方は注意してください。

「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」感想

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ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q、みた。面白かった!映画館で見たらひっくり返っただろうな…。「破」の感動をひっくり返して観念的な映像をひたすらぶつけてくる、この衝撃!すべてが一旦終わった後に再構築された世界のビジュアルに痺れる。誰の感情にも近寄れないのでいささかアンバランスだが。

作品追うごとに作画が変わるので若干見にくい。そしてアスカがだんだん可愛くなっている。カヲルくんが最初から最後までシンジくんをリードするためにいるような、ある意味都合のいい存在(というか彼以外が完全に敵…)。これも、どこまで計算で、どこまで作劇の失敗なのかが読めない。

わりとバランスがグチャグチャのように見える。これも計算済みのものなのか、それとも単に上手くいかなかったものなのか。世界の核心部分がぜんぶ伏せられてるから、完全に作品に翻弄されてしまう。それが気持ちいいってのはあるんだけど。

もともと「シンジくんの孤独」と「人類補完計画」の二つの軸が肝であり、その二つがやっと直接対峙するのが「まごころを、君に」だったし、「破」のサードインパクト発動まではある程度それを踏襲してたと思うんだけど、カヲルくんの登場でその軸がかなり変わってきたように見える。

それ以前に物語の前提が揺らいで(未知の設定がこれまで以上に出てくる)しまったので、観客としてシンジくんの孤独に寄り添う余裕を失ってしまった。14年のブランクは、つまりそういうことなのだと思う。シンジくんと一緒に訳がわからないまま突っ走って一緒に世界の終わり(未遂)を見るのです。