映画狂凡人(映画感想ツイート倉庫)

さいきん見た映画の感想を書いています。ネタバレありなので未見の方は注意してください。

「名もなき野良犬の輪舞」感想

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名もなき野良犬の輪舞、超絶大傑作!粗野で成り上がりのジェホと野心的でピュアなヒョンス。刑務所で出会った二人は互いに信頼関係を築き、裏社会の頂点を目指すが…。「誰も信じるな。状況を信じろ」と語る男が唯一信じた若者。死線を潜り抜けきた固い絆を捨てきれない愛憎入り混じった関係に泣く。

中盤のヒョンスの身に降りかかる悲劇とそれに対するジェホの掛ける言葉!思わずグッときてしまう。そしてクライマックスの〈いつもの場所〉での会話。捨てきれない相手への愛情、怒りを超えた悲しみや失望。死が隣り合わせの世界ゆえ、誰も信じられないはずなのに、二人は…。世界は優しくない。

過去と現在を行き来するから、なぜ過去でこの関係だったのに、いまこうなってる?っていう謎が常にあって。全然気持ちを切らさずに見られる。なによりジェホとヒョンスはどういう結末を迎えるのか?がずっと気になって。これは恋愛映画を見ている感覚に近い。しかも結ばれるとは限らないし。