「映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争2021」感想

映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争2021、観た。友だちの危機に命を投げて戦えるか？というシビアな問いが描かれる。遠くの「星」の惨劇に僕らは関心を持てるか。自分は戦うなんて言ってないと怖気付くスネ夫が印象的だ。そして「残るのも役目」のしずかちゃんが最後の戦いで担う役割よ！面白かった。

しかし、SF戦争映画を撮ってはしゃぐドラえもんたちが、本当の戦いに身を投じるまでの流れが少々粗いように思う。これは「宇宙小戦争＝リトルスターウォーズ」なんだ。はじめはバカにしていた小人たちの戦争に巻き込まれ、命を危険に晒すというおっかなさは、もっと重く描いてもよかったのでは。

パピが「これは本当の戦争だから」「僕の責任だから」と乗り気なドラえもんたちに反発する。それ良いと思う。ただ、妙に軽く見えてしまう。ドラコルルたちとの最初の出会いは小人vs巨人であるべきでは？巨大軍艦に襲われて、あそこまで勇ましいこと言えるか？かえって戦争が軽くなってないか？と思う。

オープニングの映画撮影や、パピの「お人形の家」など、ごっこ遊びの楽しさを描くのは良かった。ああいうのは子どもの憧れですよね。ただ、その無邪気なごっこ遊びが戦争に接続してしまう怖さみたいなものをもっとしっかり観たかった。スネ夫はともかくのび太やジャイアンは最後までノリ軽かったよな。