映画狂凡人(映画感想ツイート倉庫)

さいきん見た映画の感想を書いています。ネタバレありなので未見の方は注意してください。

「ポンヌフの恋人」感想

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ポンヌフの恋人、観た。すばらしかった!恋に落ちた二人のホームレス。ポンヌフ橋はアジールであり牢獄だ。真昼のように花火がパリの街を照らす200年祭の夜は、史上最高のデートシーンではないだろうか。とんでもないエゴのぶつかり合いだけど彼らの恋にはどうしても「夜」の高揚を感じてしまうのだ。

出会いは夜、初デートも夜、再会も夜。暗闇がふたりを包み込む。不思議とそこには解放感がある。同時に。夜はみんな等しく孤独になる。「ポンヌフの恋人」は終始そういう「引き裂かれた感情」に満ちた映画だと思った。200年祭で暴れまわる二人は、同じ方向を向いているようで向いていない。

ミシェルは失恋の痛みが原動力だけど、アレックスはそんな彼女と一緒に暮らせる喜びを爆発させている。しかし、いつしか二人の心は混じり合う。夜空を照らす花火の嵐を背景に、セーヌ川をウォータースキーで滑る場面は興奮した!どうやって撮ったの?街の表情ってあんなにも大きく変わるんだと思った。