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「義母と娘のブルース」第2話 感想:なぜ義母と娘の「ブルース」なのか

こんにちは。じゅぺです。

今回は「義母と娘のブルース」第2話の感想を書こうと思います。

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波乱の幕開けとなった亜希子とみゆきのバトルは、第2ステージへ。いよいよ亜希子がみゆきの家に引っ越してきました。当然、みゆきは亜希子を「異物」として拒絶しようとします。まあほとんど他人みたいな存在ですし、彼女が抵抗しようとするのもわかります。なにより、みゆきはまだお母さんを亡くした寂しさに折り合いをつけられていませんから。スーパーで仲よさそうに買い物をする親子を見て、お母さんに会いたい気持ちが溢れてきてしまう。すでにあるはずのない影を追いかけるみゆきの孤独を想うと、胸がギュッと締め付けられます。

そんなみゆきの苦しみに対し、亜希子が応え切れるかというと、やはりなかなか難しい。彼女は良くも悪くも堅物、完璧主義のロボット人間なので、ぜんぶビジネスの文法文脈で理解してしまいます。だからみゆきの抵抗に対し、「駆け引き」で勝とうとしてしまうんですね。土下座してみゆきを恐縮させたり、みゆきの母親のコピーになることで気に入られようとしたり、ことごとくピントがずれています。

みゆきが亜希子を拒絶するのは、彼女が母親に似ていないからではない、寂しいなりにお父さんと楽しくやってきた生活に、土足でドカドカと乗り込んできて荒らしまわるから、怒っているわけです。

はじめ、亜希子にはそれがわからないのですが、彼女も努力家です。義母として娘のふところに入り込もうと試行錯誤するうちに、みゆきの抱える孤独、そして、彼女の母親が娘に注いできた溢れるほどの愛に、その大きさに気づくのです。さらに、亜希子はみゆきへの愛情を自覚することになります。血の繋がりはない、ついこの間出会ったばかりだけど、この笑顔のためなら、目の前に10億円あったって、みゆきに全てを捧げる道を選ぶ。そんな想いに目覚めるスーパーのシーンが大変感動的でした。

しかし、そんな亜希子の愛は、いまのところ一方通行で、みゆきにとっては少々うっとしいものでもあります。すれ違いがもどかしく、そして切ないです。

このドラマは義母と娘のケンカをコミカルに描きながらも、それぞれが抱える空虚さとか哀しみをしっかり捉えているのが好きです。ふたりの間には、笑えるけど、どこか虚しい、切ない空気が漂っていますよね。なるほど、「ブルース」とはこの空気感なのかもしれません。

第2話のラスト、亜希子は自らのキャリアをあきらめ、専業主婦としてみゆきにありったけの愛を注ぐことを決心します。これからも寂しさはすれ違うことになりそうですが、お母さんとして奮闘する亜希子の姿に期待です。