「ターミネーター:ニュー・フェイト」感想
ターミネーター:ニュー・フェイト、みた。映画は冒頭から予想を裏切る波乱の幕開け、そして原点回帰の逃走劇、歴戦の勇者サラ・コナー。正直途中までは面白かったのだが、シュワ登場から失速、最後はいつもの「ターミネーター」に。マッケンジー・デイヴィスの屈強かつしなやかな体躯の説得力と美よ!
女という存在をなんでもかんでも〈聖母〉の枠に収めるんじゃねーぞと。そういうパンチの込められた映画でもある。過去と現在と未来。3つの時間軸を行き来するのは楽しいが、シュワ登場以降、抱えたものが多すぎて足取りが重くなってしまった。リンダ・ハミルトンと二人並んだら負ける気しないじゃん。
「ターミネーター」シリーズって、ターゲットが死んだ瞬間即ゲームオーバー、人類の未来は終わってしまうわけですよ。その孤独と緊張感が肝だと思う。グレース=マッケンジー・デイヴィスやサラ=リンダ・ハミルトンはその点生身の人間だし血も流すから、どこか心許ない。もしかしたら負けるかもと。
だけどシュワは安心感がありすぎるのだよねえ(これ以上はネタバレになりそうなのでやめます)。この映画は一にも二にもマッケンジー・デイヴィスだ。超人的な肉体と悲壮感を抱えた表情、彼女だって普通の世界にうまれていたら幸せに生きられただろうに。戦いを選ばざるを得なかった人間の悲しみ。