映画狂凡人(映画感想ツイート倉庫)

さいきん見た映画の感想を書いています。ネタバレありなので未見の方は注意してください。

「サヨナラまでの30分」感想

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サヨナラまでの30分、みた。これは良い意味で俳優の映画だ。自分の世界に閉じこもる颯太=北村匠海と、こじ開けられない扉はない猪突猛進のアキ=新田真剣佑。二人の人生が交錯する中で、たがいに相手の影を帯びはじめる。音楽は、そして人は、たくさんの〈上書き〉で分厚く、豊かになっていくのだ。

新田真剣佑のパフォーマンスが素晴らしくて、メジャーデビュー直前だったという設定に説得力をもたらしている。キズひとつない宝石のように完ぺきな顔立ち、自信に満ち溢れた笑顔、艶やかな声。しかし、北村匠海がマイクを握った途端、これはちょっと凄いぞってなる。アキにない何かを颯太は持ってる。

今村圭佑の撮影が冴える。俳優の歌唱と楽曲自体のクオリティの高さが前提ではあるのだが、ライブシーンに見応えがあるのは、ステージの緊張感がダイレクトに伝わる演出のおかげなのだと思う。そしてカセットテープの使い方!手の中に音楽があるという感覚。アナログの手ざわりも良いね。