「トリコロール/白の愛」感想
トリコロール/白の愛、大傑作!不能が原因で愛想を尽かされた妻にあらぬ妻を着せられ、ポーランドに帰ったカロル。祖国で成功した彼はやがてある計画を実行する。これは悲劇か、それとも喜劇か。ふたりの愛は歪なバランスで保たれることになる。面白かったが俺はあのオチを信じない。平等なんてない。
フランス国旗の白は平等を表すらしい。カロルはポーランド人、ドミニクはフランス人だ。フランスではカロルは言葉がしゃべれない〈部外者〉である。非対称な関係の夫婦なのだ。それが後半どうなるか。相手の立場になってはじめて理解することがたくさんある。それは愛も同じなのだろう。
しかし、あのラストはどうなのだろう。カルロとドミニクは〈平等〉になったのだろうか。お互いおあいこねと。そうやって結ばれる関係もあるかもしれないけど、どうにも自分には信じられないのである。カロルの偏執さは分からなくもない。が、そのある種の鬱陶しさ気持ち悪さの突き抜けた先にそれかと。
メチャクチャ面白いけど、俺の感覚には合わないものがある映画だった。ああいう形で報われてほしくなかったというか。