映画狂凡人(映画感想ツイート倉庫)

さいきん見た映画の感想を書いています。ネタバレありなので未見の方は注意してください。

「フィン」感想

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フィン、みた。誕生日の美郎のもとに訪れた高校の同級生を名乗る女の子。誰だかわからないまま彼女を誕生日会に呼ぶが…。ゆったりと時が流れながらも、振り返ったとき特別な優しさを持って蘇りそうな一日。人生にポエジーがない?一日一日が物語であり、それはfin.を打つことから始まるのだ。

春先に比べたらマシになったとはいえ、コロナで外に出る機会も前より減って、毎日あんまり楽しくないなと思うことも多いんだけど、じゃあ逆にどういう時が楽しいんだろう?と考えると、やっぱりそれはいろんな人やモノとの出会いなんだなと、当たり前の答えに行き着いたりする。

それはたとえばツイッターで知り合った人とひさびさに会ったり、会社の同期に友人を紹介してもらったり。はたまた仲のいい友人といつも通りの内容の会話をいつも通りする中にも、新しい出会いはあったりする。「フィン」に於ける同級生の存在って、それなんじゃないかと。外に出れば何か起きる。

タイトルの「フィン」はそのまま物語の「終わり」を指すのだけど、終わりこそが始まりである、という倒錯が肝なのだ。平凡な日常に区切りをつける。きょうとあしたを地続きに捉えない。まったく新しい物語の連続として考える。猫のように現れ、次の日には去っていった女の子。人生の始まりと終わり。