映画狂凡人(映画感想ツイート倉庫)

さいきん見た映画の感想を書いています。ネタバレありなので未見の方は注意してください。

「シンドラーのリスト」感想

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シンドラーのリスト、観た。醜悪な権力者と虐げられる民衆、その中でいかに「善いこと」をするべきかというシンドラーの葛藤は、人類最悪の戦争犯罪と単純には比較できないとはいえ、コロナ禍の我々にも響くものがあった。わりと低予算らしいが、人だかりの迫力含め物量の説得力を感じる映画だと思う。

三時間越えの戦争映画はさすがに体力ある時じゃないと…と敬遠してたのだが、敗戦の日を来週に控えたこのタイミングで観たのは正解だった。スピルバーグは人が虫ケラのように死ぬ瞬間をおぞましく撮るのがうまい。横並びで射殺される男たち、射的のようにライフルで撃つ軍人。積み上げられた死体の山。

たとえば収容所の建設現場で、このままだと基礎が沈んで工事やり直しになるからなんとかしてほしいと訴えるインテリの女性が射殺される場面。カメラは基本固定で長回しなのだが、この女性が手前に奥に動き回るのが面白い。「殺される」と悟った瞬間、絶望の表情が接写になるよう導線が引かれている。

たとえば収容所の建設現場で、このままだと基礎が沈んで工事やり直しになるからなんとかしてほしいと訴えるインテリの女性が射殺される場面。カメラは基本固定で長回しなのだが、この女性が手前に奥に動き回るのが面白い。「殺される」と悟った瞬間、絶望の表情が接写になるよう導線が引かれている。

強制収容所送りになりそうなユダヤ人を救済するという孤独な戦いは、ほぼ一貫して密室で展開される。ここの演出もうまい。光と影のコントラストでシンドラーの顔が半分隠れたり、相手の軍人の目元が暗かったりして表情が読めない。アーモンをしれっと「許し」に誘導する場面の交渉?もスリリング。