「ベイビーわるきゅーれ」感想
ベイビーわるきゅーれ、観た。面白かった。これだけ高水準のアクションをニッポンの見慣れた景色で見られるとは。特によくあるコンビニで生々しい殴り合いが展開される冒頭はすばらしい。正直、ギャグには乗り切れなかったのだけど、まひろとちさとは大好きになった。愛せる。俺はまひろ派です。
役者の動きが良くても撮り方が悪くてアクションがカッコよく見えない映画ってたくさんあるけど、「ベイビーわるきゅーれ」はカットを割り過ぎず、かといってこれ見よがしにダラダラと長回しもせず、リズミカルにスパスパと流していくのでほんとうに見やすかったし、見応えがあった。
ガンアクションは「ジョン・ウィック」一作目のクラブカチコミシーンを思い出しました。シューティングゲームのノリで敵を倒していく。特にちさとの銃の構え方がキマってる。まひろの肉弾戦もいい。だからこそ、ふたりの正真正銘の「共闘」が見たかったのだが。合流せず戦ったのはちょっと残念。
ギャグシーンは褒める人もいるけど、俺はちょっとハマらなかったですね。固有名詞の使い方に薄さを感じてしまった。それこそツイッターでバズる四コママンガ的な「あるある」で。その「あるある」を皮肉る場面もあるが、作品自身その穴に落っこちてないか?と思わなくもない。
ヤクザがメイドカフェに乗り込む場面も、メイド服のちさとが…というオチに持ち込むがために舞台として設定したならわかるけど、単にギャグシーンとして受け止めるのであれば、今やるネタなのか?と。逆に「あれ?ティッシュどこ?ティッシュティッシュ…」みたいな細かいやり取りの方が面白かった。
まひろとちさとの掛け合いはやっぱりいいですね。まひろからちさとへの歩み寄りと「ケーキ」のくだりは特に好きだった。ふたりにとって「生きづらさ」からの逃避だった殺し屋稼業と共同生活が、まぎれもない「居場所」になる瞬間ですね。チャリ鍵忘れるノリで「拳銃がない!」と騒ぐ世界の「普通」。