映画狂凡人(映画感想ツイート倉庫)

さいきん見た映画の感想を書いています。ネタバレありなので未見の方は注意してください。

「劇場版 DEEMO サクラノオト あなたの奏でた音が、今も響く」感想

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「劇場版 DEEMO サクラノオト あなたの奏でた音が、今も響く」を観た。3Dモデリングのアニメはクセがある。個性的とも没個性的とも取れるキャラ造形、これまた新鮮さはないが彼岸の世界のようなピアノの木、ゆったりとしたテンポ感。一つひとつは微妙だが組み合わさると魅力的に見える。不思議な映画。

こうやって書くと無理やり擁護しているようだけど全然そんなことはなく、観ている最中は眠くなったし、高校パートと幼少期パートの行き来のまずさ(幼少期パートがどういう位置付けなのか途中まで見極められない)にフラストレーション溜まったのだけれど、観終わると「わりと好きな映画だ」と思った。

濱田岳渡辺直美イッセー尾形という豪華キャストを起用しながら妙に紋切り型の脇役たち。どうして?と最後まで納得はできなかったが、この妙なズレや気持ち悪さが、案外、アリスの見る世界の曖昧さとこの感覚は結びついている。展開も静かでまったりしているが、逆に心地よくも感じられる。

終始、この映画はそういう狙っているのか、それともたまたまなのかわからないバランス感覚で成り立っている。好意的に受け止めない人は睡魔に負けて終わるだろうと思う。丹生ちゃん演じる仮面の少女はそもそも口数の少ないキャラだったが、いつもの彼女とは180度ちがう演技。ひらがなけやきだった。

丹生ちゃん出てないと絶対観なかった映画だし、完成度が高いかというと、もっとなんとかなっただろと思うのだが、俺は好きだった。「二ノ国」も評判悪かったけど俺はお気に入りで。ああいう現実とリンクする異世界系の話は定期的に観たいと思う。