映画狂凡人(映画感想ツイート倉庫)

さいきん見た映画の感想を書いています。ネタバレありなので未見の方は注意してください。

「わたし達はおとな」感想

f:id:StarSpangledMan:20220611232124j:image

わたし達はおとな、観た。望まぬ妊娠を機にぐちゃぐちゃになるクソ大学生の恋愛模様を描く。時系列を入れ替えたところでミリも興味は湧かないが、なぜか面白くて最後まで食い付いてしまう。恋愛の厭な部分だけ煮詰めた今泉力哉映画といえる。大学一年生に必ず見せてほしい。そして不快になってほしい。

ストーリーだけ繋ぐと本当につまらなくて、こんなものを「等身大」と呼ぶのか?と言いたくなるが、一応、時系列を入れ替えることで、物語に引きをつくろうとしている。だけど、そこはうまくいってない。過去と現在で撮り方を変えてないので、シチュエーションで判断するしかない。非常に観づらい。

だから、過去と現在が交わっても、いまいちパンチがない。とても弱い。「ちょっと思い出しただけ」はここらへんの処理が上手かっただけに、作品全体の満足感に直結する欠点と言える。しかし、生っぽい会話の演出は好きだ。堂々巡りで答えのないやり取り。直哉のモラハラっぷりに、優実の押しへの弱さ。

直哉が優実にとある決断について問い詰められて「そう決断したからだ」で押し切ろうとする場面。某国の首相を思い出した。直哉は「とりあえず落ち着こう」「それは俺が悪いってこと?」「それだと俺も無理になる」などとりあえず相手が悪いことにするクソテクニックを駆使。不快度マックスである。

優実を演じる木竜麻生の横顔が、河田陽菜に似ている。優実がだんだん「クソ大学生ルートを選択した河田陽菜さん」に見えてきて辛かった(風評被害)。映画の序盤、旅行先のホテルのディナーで騒ぐ他の大学生グループを見て「あいつら酒覚えたてかねー」ってコソコソ笑う大学生女子4人。終始そんな話。

あと、エンドロール!これは良かったですね。もう勘弁してくれよ…って思いながら観てたので、どういう決着にするのかな?と思ってた。なるほどね。やっぱり監督は大学生が嫌いだと思う。好きか嫌いかで言われたら嫌いだけど、好きかもしれない映画です。