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「カルメン故郷に帰る」 感想:日本初の長編フルカラー映画

こんにちは。じゅぺです。

今回は「カルメン故郷に帰る」について。

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カルメン故郷に帰る」は1951年に公開された日本初の長編フルカラー映画です。名前だけでも聞いたことがある人は多いんじゃないでしょうか。監督は木下恵介。僕はほとんど見れていませんが、「二十四の瞳」など邦画史に名を残す活躍をした名監督です。主演は高峰秀子。本作ではフィルムの質が悪いので、高峰秀子には発色を良くするためにきつめの色の化粧を施しているのですが、それが当時のファッションに大きな影響を与えたと聞いたことがあります。映画は最先端の流行やライフスタイルを伝えるメディアだったんですね。いまはInstagramやネットメディアなんでしょうけど。

 

そんな50年代の映画事情が随所に刻まれた本作。見どころは浅間山雄大な景色で撮影された鮮やかな色彩でしょう。先ほども言った通り、原色がきつめで目がチカチカしてしまうものの、途中でミュージカルシーンが挟まられるなど「サウンド・オブ・ミュージック」っぽいところもあり、ビジュアルで飽きることはありません。リリーたちストリッパーのバカみたいに派手な衣装も面白い。田舎もんの地味な服と対比になっています。そのコントラストと、自らの芸を「ゲージュツ」だと信じる彼女たちの浮きっぷりがまた少し哀しいのですが。良くも悪くもテーマとマッチした色使いになっているのではないでしょうか。

ただ、一方で音質が悪すぎて内容がよくわからなかったのも事実です。DVDで見ると日本語字幕をつけられるんだけど、Huluだとそういう設定の変更ができないんですよね。笠智衆の声は聞き取りやすかったです笑 途中からリスニングのテストみたいになって集中力も切れ気味でした。シチュエーションの幅も狭いせいか、全体的にのぺっとした印象も受けます。せっかく見たのにもったいなかったかもな〜と思います。ぜひHuluには邦画でも日本語字幕を導入して欲しいところです…。