「屍人荘の殺人」感想

屍人荘の殺人、みた。なにこれ！？長野の山奥で〈異変〉に気づいた人々がペンションに集まり…。シナリオも演出も崩壊する中、浜辺美波の圧倒的画力だけで魅せ続ける2時間。神木くんとの相性もよい。これだけでずっと見ていられる。展開詰め込みすぎて最後はキャラ全員情緒悪安定に。ラストは事故。

映画としては最低。日曜の朝早起きして見に行ってこれだったらキレてた。けど金曜レイトショー、仕事終わりのおっさんしかいない六本木の狭いハコで見るとまた味わいが。取ってつけたようなラスト（なにあの間の抜けたカット。せめてもうひとつ前のアップのところで終わってよ）の後に流れるPerfume。

本当にどうしてこうなったの？とは思う。監督はTVドラマ畑の木村ひさし。「99.9」で多用していた高速カットバック（チカチカしてめちゃくちゃ見にくい）を飽きずにしつこく使い続けるあたり、結構狂ってる。ミステリーなのに謎解きがあんまり面白くないのも致命的だが、浜辺美波一本足打法で持ってる。

浜辺美波のコメディセンスは最高と改めて認識。神木くんのゴニョゴニョしたオタクっぽいツッコミと絡んだ時の安定感。ぜひこのコンビの続編を見たい。ふつうの人が着たら絶対似合わないであろうファッションも着こなす。この人の主演映画は絶対スクリーンで見なければと思いました。

ふせえりや池田鉄洋などコメディに強い俳優が多い中、浜辺美波と同世代の山田杏奈が光る。彼女のまじめな（ちょっと地味といってもいい）雰囲気が、いい感じの抑制になっていると思う。浜辺美波と山田杏奈の真正面のやり取りもあるので、要注目。しかし、中村倫也のアレはどうなんだ…。