映画狂凡人(映画感想ツイート倉庫)

さいきん見た映画の感想を書いています。ネタバレありなので未見の方は注意してください。

2018-01-01から1年間の記事一覧

「ポッピンQ」:これは誰に向けて作っているのだろう?

こんにちは。じゅぺです。 今回は「ポッピンQ」について。 「ポッピンQ」は東映アニメーション60周年を記念して制作された作品です。残念ながら批評的にも興行的にも大失敗しました。 はっきりいてあまりおもしろい作品ではありませんでした。世界の危機、…

「君の膵臓をたべたい」感想:実写版とアニメ版の桜良の解釈の違いについて

こんにちは。じゅぺです。 今回は「君の膵臓をたべたい」について。 「君の膵臓をたべたい」は住野よるの小説を原作にしたアニメーション作品です。昨年浜辺美波と北村匠海を主演に迎えた実写化作品が公開されました。これがとってもすばらしい作品でしたね…

「きみの鳥はうたえる」感想:徹夜明けの朝の生暖かい淀み

こんにちは。じゅぺです。 今回は「きみの鳥はうたえる」について。 正直、「きみの鳥はうたえる」にはそれほど期待していなかったのですが、非常にすばらしい作品でした。今年のベストに入る一本です。うれしい誤算でした。 本作は函館を舞台に生きる3人の…

「アントマン&ワスプ」感想:二人のアントマンと二人のワスプ

こんにちは。じゅぺです。 今回はMCU最新作「アントマン&ワスプ」について。 「アントマン&ワスプ」はマーベル・シネマティック・ユニバース20作目の作品です。「アイアンマン」から始まったヒーローたちの壮大な神話もついに節目を迎えました。前作「アベ…

「百万円と苦虫女」感想:サナギの中に籠るとき

こんにちは。じゅぺです。 今回は「百万円と苦虫女」について。 主演は蒼井優。正直、僕はあまり蒼井優が好きではなかったのですが、本作でその認識を改めました。少女らしいあどけなさの残る丸いほっぺと、トゲトゲしさの見え隠れする話し方。これ以上ない…

「ペンギン・ハイウェイ」感想:ペンギンと世界の果てとお姉さんのおっぱい

こんにちは。じゅぺです。 今回は話題作「ペンギン・ハイウェイ」について。 「ペンギン・ハイウェイ」は森見登美彦原作のSFアニメーション映画。彼原作の「夜は短し歩けよ乙女」は彼の世界観と湯浅イズムが化学反応を起こした大傑作でしたが、「ペンギン…

「青春群像」感想:漫然と毎日を過ごす人たちへ

こんにちは。じゅぺです。 今回は「青春群像」について。 「青春群像」はフェリーニの出世作になった青春映画です。地元で職もなくブラブラする5人の若者の日常を描きます。 僕はこの映画を特にやることもない日曜の昼下がりに寝転びながら見ていたわけです…

「マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー」感想:はじける笑顔!青い海!

こんにちは。じゅぺです。 今回は「マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー」について。 みなさんご存じの通りABBAの名曲で構成したミュージカル「マンマ・ミーア!」映画化の続編です。ドナの遺志を継いだソフィの現在と、過去のドナがカロカイリ島に住むこ…

「手紙は憶えている」感想:ひとの記憶の「あいまいさ」

こんにちは。じゅぺです。 今回は「手紙は憶えている」です。 かつてアウシュビッツに収容され、ナチスに家族を皆殺しにされた老人が、友人から渡された手紙を頼りに「復讐」の旅に出るというお話です。主演は名優クリストファー・プラマー。老人のひとり旅…

「ナイスガイズ!」感想:謎のテキトーさと余裕が呼び込むマジック

こんにちは。じゅぺです。 今回は「ナイスガイズ!」について。 「ナイスガイズ!」は、ゆるーい探偵たちが巻き起こすドタバタ劇です。主演はライアン・ゴズリングとラッセル・クロウ。特にライアン・ゴズリングが光ってました。「ラブ・アゲイン」でもクール…

「ハッピーアワー」感想:神戸の海が暗示する4人の未来

こんにちは。じゅぺです。 今回は「ハッピーアワー」について。 「ハッピーアワー」はかなりチャレンジングな作品です。まずその尺の長さ。5時間17分というボリュームです。Blu-rayでもディスク2枚構成ですから、相当の長さです。さらに本作は濱口竜介監督に…

「みんなわが子」感想:ただ黙って「疎開生活」を受け入れる狂気

こんにちは。じゅぺです。 今回は「みんなわが子」について。 独立プロの映画は、今井正監督の「キクとイサム」「ここに泉あり」を見ましたが、どちらも素晴らしい作品でした。戦後の苦しい状況下で、なんとか人間らしさを保とうともがく姿が美しく、なんと…

「アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場」感想:「テロとの戦争」という終わりなき混沌

こんにちは。じゅぺです。 今回は「アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場」の感想です。 「アイ・イン・ザ・スカイ」は、ドローンを駆使した最前線の戦場を描く戦争映画です。しかし、この映画にいわゆる「戦場」は登場しません。本編のほとんどは政治家…

「ゴースト/ニューヨークの幻」:ロマンス×ファンタジー×サスペンス

こんにちは。じゅぺです。 今回は「ゴースト/ニューヨークの幻」について。 「ゴースト/ニューヨークの幻」はデミ・ムーアの代表作として有名です。ボーイッシュな短髪と凛々しい太眉、それでいてあどけなさの残る瞳。とっても可愛らしい。他に見ない顔な…

「宇宙を駆けるよだか」全話感想:ドロドロとした愛憎劇の中で輝く青春の光

こんにちは。じゅぺです。 今回はNetflix限定ドラマ「宇宙を駆けるよだか」について。 同名タイトルの少女漫画を原作に、全6話で構成しています。あんまり期待せずに、というかほとんど前情報もなしに見たのですが、ものすごく良かったです。少女漫画原作の…

「カメラを止めるな!」感想:文化祭的高揚感を共有する最高の劇場体験

こんにちは。じゅぺです。 今回はあの話題作「カメラを止めるな!」について、ネタバレありで感想を書きます。 じつはこの映画、公開前から映画ファンの間ではすこし話題になっていました。年明け?ぐらいから映画祭の先行上映で見た関係者の評判が出回って…

「bao」:たった8分で紡がれる親子の「これまで」と「これから」

こんにちは。じゅぺです。 今回は「インクレディブル・ファミリー」同時上映作品の「bao」について。 監督は中華系の女性だそうです。主人公の「中国のおばちゃん」感がハンパなくリアルなのも納得です。もう3Dアニメーションでデフォルメされた「中国のお…

「インクレディブル・ファミリー」:14年で進化したところと変わらなかったところ

こんにちは。じゅぺです。 今回はピクサー最新作「インクレディブル・ファミリー」について。 「Mr.インクレディブル」の14年ぶりの新作です。どうして今更?という気がしなくもないですが、前作に引き続きブラッド・バードが監督と脚本を担当。 「Mr.イン…

「Mr.インクレディブル」感想:正義と独善

こんにちは。じゅぺです。 今回は「Mr.インクレディブル」について。 このまえテレビでノーカット放送していたのでみました。映画館以来だから、14年ぶりですね。ほとんど中身を覚えていなかったので、新鮮な気持ちで見られました。 彼らの能力って、まあ…

「百日紅 Miss HOKUSAI」感想:お栄と江戸の生命力

こんにちは。じゅぺです。 今回は「百日紅 Miss HOKUSAI」について。 Miss HOKUSAIことお栄が本作の主人公。お栄は北斎の娘で、偉大な父と同じようにすばらしい絵画を残しました。残念ながら現存する作品はそれほど多くないようですが、北斎の浮世絵にもアシ…

「カランコエの花」感想:ひとは間違いを犯す生き物だから

こんにちは。じゅぺです。 今回は「カランコエの花」について。 「カランコエの花」は「この教室にLGBTがいる」というひとりの生徒の発言が巻き起こす一週間の事件を描いた短編映画です。劇伴もなく、エモーショナルな目線を極力省いたシンプルな作りになっ…

「オーシャンズ8」感想:軽妙だけど…ちょっと軽すぎ?

こんにちは。じゅぺです。 この間、試写会で「オーシャンズ8」を見てきました。すでに先週から公開が始まり、洋画ファンの話題を呼んでいます。というわけで今回は「オーシャンズ8」のネタバレあり感想を書きたいと思います。 「オーシャンズ」といえば、…

「セトウツミ」感想:無限に広がる日常

こんにちは。じゅぺです。 今回は「セトウツミ」について。 上映時間は1時間10分ちょっとでしょうか。そのあいだずっと川辺に座る高校生二人の会話です。学校の教室で後ろの席に座ってる同級生のおしゃべりを盗み聞きするような感覚。二人のことをすでに…

「義母と娘のブルース」第5話 感想:小さな奇跡、大きな奇跡

こんにちは。じゅぺです。 今回は「義母と娘のブルース」第5話について。 ついに良一さんが入院してしまいます。良一さんと亜希子は、娘や職場に事情を知られまいと東奔西走。いやいや、病気を職場に隠しちゃダメでしょ!と言いたいところですが、野暮なツ…

「健康で文化的な最低限度の生活」第4話 感想:頑張らなくてもいいとき

こんにちは。じゅぺです。 きょうは「健活」第4話について。 今回、えみるは脇役でしたね。彼女の同僚である七条にスポットライトが当たります。七条を演じるのは山田裕貴。彼って「気持ち悪いイケメン」を演じさせたらピカイチだと思います。「伊藤くん A …

「エージェント・オブ・シールド」シーズン4 第15話 感想:「自我とは?」を問いかける

こんにちは、じゅぺです。 とつぜんですが、「エージェント・オブ・シールド」シーズン4を毎週D-Lifeで視聴しているので、これからはこちらのレビューもしてみようと思います。正直、ドラマとしてはほぼ佳境なのですが…、せっかくですし、感想を残しておく…

「ブラック・スワン」感想:鏡に映る狂気

こんにちは。じゅぺです。 今回は「ブラック・スワン」の感想について。 「ブラック・スワン」は、「白鳥の湖」の主演に抜擢されたバレリーナのニナが、純潔な白鳥と蠱惑的な黒鳥を演じるプレッシャーに押しつぶされ、精神崩壊していく様を描く作品です。 精…

「暗黒街の顔役」感想:盛者必衰の理

こんにちは。じゅぺです。 今回は「暗黒街の顔役」について。 さいきんハワード・ホークスの映画をいくつか見ているのですが、本作もそのうちの一つです。このあいだは「三つ数えろ」をレビューしたので、ぜひそちらもご覧ください。 「暗黒街の顔役」の原題…

「ミッション:インポッシブル/フォールアウト」感想:追う、逃げる、邪魔される

こんにちは。じゅぺです。 今回は「ミッション:インポッシブル/フォールアウト」について。 「スパイ大作戦」を原作にした「ミッション:インポッシブル」のシリーズもついに6作目に突入。主演のトム・クルーズも50代になり、主要キャラはみんなおじさ…

「この世界の片隅に」第4話 感想:人生の道は選べない

こんにちは。じゅぺです。 今回は「この世界の片隅に」第4話について。 ついに周平さんの過去が明かされます。周平さんには、周囲に反対されてリンさんとの結婚を諦めた過去があったんですね。リンさんは遊女でした。きっと二人は本当に愛し合っていたんで…