映画狂凡人(映画感想ツイート倉庫)

さいきん見た映画の感想を書いています。ネタバレありなので未見の方は注意してください。

映画

「リトル・フォレスト 夏/秋」感想:おしゃれでリッチな田舎暮らしの理想郷

こんにちは。じゅぺです。 今回は「リトル・フォレスト 夏/秋」について。 「リトル・フォレスト 夏/秋」は、東北のとある田舎町・小森に暮らすいち子の日常を描く作品です。春夏秋冬でそれぞれ単独の映画になっています。劇場公開時には「夏/秋」と「冬…

「クルーレス」感想:アリシア・シルヴァーストーンの輝き

こんにちは。じゅぺです。 今回は「クルーレス」について。 クルーレスは1995年公開の青春映画です。ダサい(=クルーレス)ことが大嫌いで、学校のイケてない人をイメージチェンジすることに精を出している美少女・シェール。学年一の人気者の彼女は、じ…

「ペット」感想:動物目線で世界を切り取る

こんにちは。じゅぺです。 今回は「ペット」について。 「ペット」はニューヨークのアパートで暮らすペットたちの大冒険を描くアニメーション映画です。制作スタジオは「怪盗グルー」シリーズでおなじみのイルミネーション・スタジオ。フランスらしいエスプ…

「ハード・コア」感想:アウトローたちの居場所

こんにちは、じゅぺです。 今回は「ハードコア」について。 「ハード・コア」は、行くあてもなく埋蔵金探しで日銭を稼ぐ右近と牛山が、不思議なロボットに出会うダメ男たちのファンタジーです。非常に独特な世界観の作品になっていて、このノリについていけ…

「ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ」感想:好き勝手暴れる軍人たちも組織人

こんにちは。じゅぺです。 今回は「ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ」について。 「ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ」は、麻薬カルテルとの壮絶な戦いを描いた「ボーダーライン」の続編です。今回は、国防省が麻薬カルテルを弱体化させるために、秘…

「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」感想:鹿野靖明の生き様から得られるヒント

こんにちは。じゅぺです。 今回は「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」について。 「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」は筋ジストロフィ患者・鹿野とボランティアの1年間を描くヒューマンドラマです。主人公の鹿野を演じるのは大泉洋。彼を支える…

「台風クラブ」感想:思春期の幼稚性と暴力性

こんにちは。じゅぺです。 今回は「台風クラブ」について。 「台風クラブ」は、相米慎二監督による青春映画です。台風の接近を機に内なる衝動を解放していく中学生たちを描きます。相米監督の作品は「セーラー服と機関銃」を見て以来気になっていて、本作も…

「魔法にかけられて」感想:ディズニー・プリンセスの否定と再構築

こんにちは。じゅぺです。 先日「シュガー・ラッシュ:オンライン」が公開されました。この映画は「シュガー・ラッシュ」の続編でありながら、ディズニー・プリンセスの文脈でも語りうる批評性を持っている点で非常に注目すべき作品です。「白雪姫」をはじめ…

「アリー/スター誕生」感想:ブラッドリー・クーパー、主役を乗っ取る

こんにちは。じゅぺです。 今回は「アリー/スター誕生」の感想です。 「アリー/スター誕生」は、これまで3度映画化されている「スタア誕生」のリメイク作品です。1937年版と1954年版の「スタア誕生」ではハリウッドスターを夢見る女の子が主人公…

「アメリカの夜」感想:映画がなければ生きられない人たち

あけましておめでとうございます。じゅぺです。 今年もよろしくお願いします! 新年1本目の記事は「アメリカの夜」の感想です。 いきなりですが、去年のお話から始めます。2018年の映画界も大いに盛り上がりましたが、中でも象徴的な作品に「カメラを止…

2018年の総まとめ:新作/旧作ベスト10の発表!

こんにちは。じゅぺです。 きょうは12月31日ということで年内最後の更新日です。1年の総まとめとして「2018年映画ベスト」を発表したいと思います!やっぱりこれを考えないと年が越せませんね。 今回は旧作洋画編/旧作邦画編/2018年新作編の…

「シュガー・ラッシュ:オンライン」感想:人は常に孤独な存在であるということ

こんにちは。じゅぺです。 今年最後の映画レビューはこの映画にしました!「シュガー・ラッシュ:オンライン」です。 「シュガー・ラッシュ:オンライン」は、レトロなゲームセンターのアーケード中に暮らすヴァネロペとラルフが「シュガー・ラッシュ」を危…

「ROMA/ローマ」感想:極上の映像詩でつづる人生賛歌

こんにちは。じゅぺです。 今回は僕的2018年ベスト映画の一本「ROMA/ローマ」についてお話しします。 舞台はメキシコシティ、ローマ地区。激動の70年代メキシコに生きる女中・クレオの物語が描かれています。監督のアルフォンソ・キュアロンは、幼少期をロー…

「来る」感想:秀樹たちを襲う「ぼぎわん」の正体とは?

こんにちは。じゅぺです。 「ヘレディタリー/継承」の記事でも書きましたが、最近ホラー映画の奥深さにハマっています。というわけで今回は「来る」について。 「来る」は、幸せな新婚生活を送っていた秀樹を襲う謎の力「ぼぎわん」の恐怖を描くホラー映画…

「ヘレディタリー/継承」感想:彼らの生と死に「意味」はあるのか

こんにちは。じゅぺです。 今回は話題のホラー映画「ヘレディタリー/継承」について。 「ヘレディタリー/継承」は、祖母の死をきっかけに様々な恐怖に見舞われる家族を描くホラー映画です。 最近、ホラー映画って奥が深いなあと感じるようになりました。僕…

「ギャングース」感想:想像の向こう側にいる人たち

こんにちは。じゅぺです。 今回は「ギャングース」について。 「ギャングース」は、少年院上がりでバイトにすら雇ってもらえない底辺の3人が、起死回生の策に打って出る青春クライムサスペンスです。 監督は入江悠。彼の代表作といえば「SR サイタマノラ…

「ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生」感想:分断を叫ぶカリスマに既視感

こんにちは。じゅぺです。 今回は「ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生」について。 「ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生」は、大人気ファンタジー「ハリー・ポッター」シリーズの外伝第2作です。スキャマンダーと魔法動物…

「グリンチ」感想:みんなの輪の中に入るということ

こんにちは。じゅぺです。 今回はクリスマス目前ということで「グリンチ」について。 「グリンチ」クリスマスが大嫌いなひねくれ者のグリンチとお母さんの幸せを願うシンディ・ルーを描くアニメーション映画です。製作は「怪盗グルー」シリーズでおなじみの…

「天使の入江」感想:運命に支配された男と女

こんにちは。じゅぺです。 今回は「天使の入江」について。 「天使の入江」はジャック・ドゥミ監督の作品です。「シェルブールの雨傘」と「ロシュフォールの恋人たち」は見ました。どちらもフレンチ・ミュージカルの代表作で、ポップで可愛らしい色づかいが…

「ボヘミアン・ラプソディ」感想:「アナ雪」に連なる体験映画の最先端

こんにちは。じゅぺです。 今回は大ヒット中の映画「ボヘミアン・ラプソディ」について。 「ボヘミアン・ラプソディ」は、45歳の若さでこの世を去ったフレディ・マーキュリーの半生を描く伝記映画です。現在、大ヒット上映中で「クイーン現象」を巻き起こ…

「また逢う日まで」感想:敗戦から5年後の生々しさ

こんにちは。じゅぺです。 今回は「また逢う日まで」です。 ‪「また逢う日まで」は、戦争で引き裂かれていく男女の愛を描く作品です。監督は今井正。今井正監督の作品は「キクとイサム」と「ここに泉あり」を見ました。どちらも戦争の爪痕を背景に、都市と地…

「スマホを落としただけなのに」感想:良くも悪くもタイトル詐欺

こんにちは。じゅぺです。 今回は「スマホを落としただけなのに」について。 「スマホを落としただけなのに」は志賀晃による大ヒット同名小説を「リング」の中田秀夫が監督したサスペンス映画です。タイトル先行で話題になりましたが、良くも悪くも「タイト…

「ヴェノム」感想:無職と宇宙人のロマンティックコメディ

こんにちは。じゅぺです。 今回は「ヴェノム」について。 「ヴェノム」はマーベルコミックの人気キャラクターで、スパイダーマンのヴィランでおなじみのヴェノムを主人公に描く、ダークヒーロー映画です。大人の事情でスパイダーマンは出てきません。最初こ…

「オズランド 笑顔の魔法おしえます」感想:僕にとって個人的な映画

こんにちは。じゅぺです。 今回は「オズランド 笑顔の魔法おしえます」について。 「オズランド 笑顔の魔法おしえます」は、地方遊園地に配属された新入社員・波平が、常に笑顔の上司・小塚の背中を見ながら成長していく様を描くお仕事映画です。あらすじと…

「セーラー服と機関銃」感想:アイドルの処女性

こんにちは。じゅぺです。 今回は「セーラー服と機関銃」について。 「セーラー服と機関銃」は、薬師丸ひろ子主演のアイドル映画です。監督は80年代に傑作青春映画を数多く世に送り出した相米慎二。かねてから相米作品には興味があったので、まずキャッチー…

「search / サーチ」感想:マウスポインタが演技する

こんにちは。じゅぺです。 今回は「search / サーチ」について。 「search / サーチ」はネット上に残された痕跡を手がかりに、失踪した娘を探す父を描くサスペンスです。全編がPCとスマートフォンの画面で展開されるという点が公開前から大きな話題になっ…

「ジョゼと虎と魚たち」感想:ラブホテルの布団の中で見る魚の夢

こんにちは。じゅぺです。 今回は「ジョゼと虎と魚たち」について。 「ジョゼと虎と魚たち」は犬童一心監督の描く青春映画です。平凡な大学生・恒夫がひょんなことから足の不自由な女の子・ジョゼと出会い、やがて心惹かれあっていく様が瑞々しくスケッチさ…

「ノッティングヒルの恋人」感想:オレンジジュースから始まる恋

こんにちは。じゅぺです。 今回は「ノッティングヒルの恋人」について。 「ノッティングヒルの恋人」は、公開当時恋愛映画としては史上最高のオープニング興行収入を達成したロマンティックコメディです。主演はジュリア・ロバーツとヒュー・グラント。当時…

「人情紙風船」感想:踊り狂う酔っ払いたちに想うこと

こんにちは。じゅぺです。 今回は「人情紙風船」について。 「人情紙風船」は夭折の天才・山中貞雄の遺作です。山中貞雄監督の作品は現在3点しか残っていないのですが、そのうちの1作「丹下左膳餘話 百萬兩の壺」は先日鑑賞し、当ブログでもレビューしました…

「じゃりン子チエ 劇場版」感想:笑いと人情の日常

こんにちは。じゅぺです。 今回は「じゃりン子チエ 劇場版」について。 「じゃりン子チエ 劇場版」は「じゃりン子チエ」は劇場アニメ化作品です(そのままですね)。高畑勲監督の代表作の一つもであります。 ロクデナシだけど娘を溺愛するダメ親父のテツと、…